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2015年10月21日 (水)

Q&A 柔らかい食事だと歯が弱くなる?

こんにちは、KONTANIです。
 
先日、一問一答の受付を再開させていただきましてから、久しぶりにご質問を頂きました!ご質問いただけて光栄です。
 
2年ぶりのご質問(実際のご質問に回答するのは3,4年ぶりかもしれません)、張り切って回答させていただきたいと思います!

  

手作り食にしてから黒光りするほど毛艶がよくなり喜んでおります。しかし、一つ心配があります。毎日柔らかいものばかりあげていると、早くに歯が弱ってきませんか?

知り合いの家の犬は、ウェットフードを与えていて34年経ったころから歯がぐらつきなくなってしまったと言っていました。個体差があるとは思いますが、とても気になります。
アドバイス、対処方法などがあれば教えてください。よろしくお願いします。

 

ご質問ありがとうございます。

実はこれ、とてもよくいただくご質問のひとつです。以前、よもやま話でも同じ内容のことをお伝えさせていただいたことがありますので、よろしければぜひご覧になってみてください。

  よもやま話 その6) 
   ⇒手作り食だと歯が弱くなる?
  
 

まず最初にお伝えしておきたいのは、世の中に完璧な食事というものは存在しない!ということです。


手作り食をお勧めしているKONTANIではありますが、手作り食にはメリットだけではなく、デメリットもあります。ドライフードにだって、メリットもデメリットもあるんです。KONTANIが手作り食を進めているのは、自分がこれまで学んできた中で『ドライフードよりも手作り食の方がよりメリットが多い』とシンプルに感じているだけであって、決してドライフードを全否定しているわけではないんです。

 
「手作り食とドライフード、どっちの方がよいですか?」ともよく質問されますが、「手作り食とドライフードのメリットとデメリットを、飼主様が天秤にかけてどちらがよいか選ぶもの。手作り食をベターと感じる人もいれば、ドライフードをベターと感じる人もいる。それは人それぞれ」と考えているため、そのご質問には返答できません。ただ、その判断基準となる“メリット”“デメリット”をわかりやすくお伝えすることが自分の仕事なのだと考えています。

また、獣医師としてたくさんの犬猫の歯を見てきた経験上のお話をさせていただきますと、ドライフードを食べていようが手作り食を食べていようが、はたまたハミガキを含めた口内ケアをきちんとしようがしまいが、歯石が付く子は何をしてもついてくるし、歯が抜ける子は抜ける。
個体差、といってしまうと残念な気持ちになりますが、これは実体験上、感じています。
 
ただ、歯が丈夫か弱いかには個体差はありますが、ベースがどうであれ、口内ケアをするかしないかでその後の状態に歴然とした違いが出てくるのは確かです。ですので、口腔内の状態を気にするのであれば、食事内容で迷うのではなく、その前後の口内ケアを心がけることで歯および口腔内の状態を予防されるのがいいと思いますよ!
  

さて、そこまでお伝えしたうえで…
私の本来のお仕事である、『それぞれの食事が口腔内に及ぼすメリットデメリット』をお伝えしたいと思います。

ドライフードの歯および口腔内に対してのメリットと考えられるのは
●固いものを噛むことで歯(顎)を丈夫にする。
ということと、
●噛み砕いた時に歯がこすれるので、その際に歯石が削れる。
ということがあるかなと思います。

デメリットとしては、
●ドライフードのみで食事をすると、口の中が乾燥してしまう
ということと、
●ドライフードを噛み砕いて食べると、フードかすが歯に残りやすい
ということがあるかなと思います。

デメリットに関しては、私たちが水分補給をせずにクッキーやビスケットを食べるところをイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。口の中が乾きますし、粉っぽさが残りますよね?それでも私たちは、なにか飲んだり、うがいをしたり、ハミガキをすることでその口のもたつきを解消することができますが、犬や猫はそんなわけにはいきませんから、食べかすがそのまま歯に残る&口の中が乾いてしまって、雑菌繁殖の温床となってしまう可能性があります。


一方で手作り食の歯および口腔内に対してのメリットと考えられるのは
●水分が多いので、口の中に食べかすが残りにくい
●口腔内の乾燥を防ぐことができる

ドライフードとは逆ですね。手作りの場合は、とにかく水分がしっかり含まれていることで、雑菌繁殖を抑えてくれるので、それがメリットと言えます。

デメリットは、
●あまり噛まないので、顎の筋肉が付きづらい
●噛むことで生じる脳への刺激・体の反射区への刺激が減る

ということがあげられるかと思います。

毎日を元気に過ごすためには、やはり定期的な脳への刺激や反射区への刺激が生じることが望ましいと思いますので、噛めるならたくさん噛んだ方がよい!というのは確かにそうだと思います。

 

ドライフードで生じるデメリットに関しましては、食後にたっぷり水を飲んでもらうこと(口の中を洗い流す)や、ハミガキをして食べかすを取り除くことで対応できますし、同じく手作り食で生じるデメリットに関しても、たとえばロープやボールなどを使って引っ張り合って遊んだりすることでフォローアップはできます。つまり、どちらの食に関しても、致命的な(フォローアップできないような)デメリットはないと思います。
  

 そして、改めて申し上げますが、これらのメリットデメリットは、あくまで「歯」に関してのことだけであって、ドライフードや手作り食の他の部分のメリットデメリットに関しては全く触れていません。ですので、今回私がお話しした情報だけでドライフードの方がいいだとか手作りの方がいいだとか判断することはお勧めできません。

たとえば、手作りの歯への影響が期待するものがなかったとしても、「黒光りするほど毛艶がよくなった」というのは、間違いなく手作り食のメリットの一つだと思います。そういった、たくさんのメリットとたくさんのデメリットを理解して、ご自身の愛犬・愛猫に適した食事を選んでいただければと思います。

 
結局だいぶ長くなってしまいました…短くまとめられないところは、2年たっても成長しなかったようです(涙)
それでは今日はこれにて失礼致します!

今日もご覧いただきありがとうございました。
 
 
                
 
また、食事についてのご質問の受付を再開いたします。
手作り食に疑問がある場合には
 
 ↑ ↑ ↑
 
上記フォームよりご質問くださいませ。
  
                 
 

KONTANI 拝

 

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