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2013年6月 7日 (金)

リメイク43~甲状腺機能低下症と食材~

みなさまこんにちは、KONTANIです。

久しぶりに一問一答を更新させていただきました。
どうぞご覧ください♪

【Question】
飼っている犬(雑種♂7歳)がもう2年ほど皮膚炎に悩まされています。
かゆみで血がにじむほど舐めたり噛んだりひっかいたり、最近ではあごの下や
両脇、両腿の内側に茶色っぽいベタベタしたものが出るようになりました。
毛もぼそぼそ抜けて、見るからに気の毒な有様です。
獣医さんは皮膚のダニやカビの検査をしましたが、結果には異常は出ませんでした。
鍼も試しましたがあまり良くなりません。
今は我流ですが舐めるのを止めるためにエリザベスカラーを付けて2ヶ月。
状態がだいぶ上向いたもののストップしました。
本を読んで調べてみると、こうした皮膚症状や寝てばかりいるところなど、
甲状腺機能低下症の症状によく似ています。獣医さんに相談しましたが、
何かのアレルギーの可能性のほうが大きいと思うので検査はしないと言われました。

転院も考えましたが、子犬の時にかかったジステンパーをはじめ、
色んな病気でこれまでにたくさん薬を飲んできたので、思い切って手作り食を始めてみました。
喜んで食べるようになって、いつもダラダラしていたのが食事の時には起き上がって催促するようになりました。
もし、本当に甲状腺機能低下症ならアブラナ科の白菜やブロッコリーなどは良くないそうですね。
他に避けた方がよい食材や、積極的にとった方がよい食材があれば教えてください。

 

【Answer】
ご質問をありがとうございます。本日は
「甲状腺機能低下症であった場合、アブラナ科の食材は食べない方が良いのか?」
について触れてみたいと思います。

    
甲状腺はのどの下部に存在する、生物にとって重要な臓器です。

この甲状腺から甲状腺ホルモンという代謝活性に関わるホルモンが分泌されています。
どれくらい重要なホルモンかといいますと、このホルモンの分泌がなくなってしまうと、
体温が下がり、心拍が低下し、生命維持ができなくなり最終的には死に至ります。

※ちなみに、分泌が低下するだけではなく分泌が過剰になっても危険です。

 

それでは、具体的にアブラナ科はなぜ甲状腺機能低下症によくないのか?という部分を
考えてみたいと思います。

アブラナ科の植物には、グルコシノレートという物質が含まれています。
このグルコシノレートは、抽出など種々の反応によってゴイトリンという物質に変化します。
ゴイトリンは、甲状腺においてヨウ素の取り込みの邪魔をします。
ヨウ素は甲状腺ホルモンの原料のため、その取り込みが減少すると
最終的に甲状腺ホルモンの量は減ることになります。

この部分だけ書くと
「じゃあやっぱりアブラナ科の食材は食べないほうがいいのでは?」ということになりますが…

もう一度上記の文章を読みなおしていただきたいのですが、アブラナ科の食材には
ヨウ素の取り込みを阻害するゴイトリンそのものが含まれているわけではありません。
ゴイトリンに【変換される可能性がある】グルコシノレートが含まれている、というだけなのです。

グルコシノレートがどれくらいの割合でゴイトリンに変わるのか?
そして、その上でどれくらいのゴイトリンを摂取したらホルモン生成に影響が生じるのか?
そもそも、グルコシノレートがどの程度それらの野菜に含まれているのか?

   

いろんなことを鑑みて、個人的にはアブラナ科の食材に関して神経質になる必要はなく、
甲状腺機能低下症の子でも問題はないだろうと考えていますが、
ブログをご覧になっているすべての飼主様に対して責任をとることはできませんので、
ご心配な場合は、手作り食の食材の中からのぞいていただくのが一番だと思います。
アブラナ科の食材を『使わなければいけない理由』があるわけでもありませんから、
取り除くほうが安心できるということであれば、飼主さまが安心して手作りを続けられる
方法を選択していただければ良いと思います。

でも、面白いなーと思うのは、
ゴイトリンの元になる物質であるグルコシノレートは『イソチオシアネート』という物質にも変換されるのですが
このイソチオシアネートは化学発がんを抑制する可能性があるそうです。

それが本当であれば、グルコシノレートは甲状腺機能低下症にとっては悪役になる可能性をもっていますが、
癌にとっては救世主になる可能性を持っていることになりますよね。
    

栄養を勉強していくと、面白いなーと思うと同時に、本当に不思議だなーと思います。

同じ成分をとってもよい面と悪い面がある。

じゃあこの栄養素は食べた方が良いの、食べない方が良いの、どっちなの?
ってことになるかもしれませんが、そういうことでもなく、
それらの良いとこ悪いとこすべて含めて食べる。受け入れる。
っていうことが、生きていくうえで必要なんだろうなぁと。

良い部分はもちろん大切なわけですが、悪いと思われている部分であっても、
その悪影響は体をより活性化するために必要な要素であったりするかもしれません。
例えば、私たちが小さい頃からウイルスや細菌に触れながら体の免疫力を強めていくような感じでしょうか。

そう思うと、世の中には必要のない物はないんじゃないかなーと思ったりもします。
要はバランスの問題なんだろうなと。
で、そのバランスと言うのが個体個体で違うために、さじ加減が難しい部分があるし、
「●●をこれだけ食べたら▲▲に効果がある!」もしくは「◆◆をこれだけ食べたら××に悪影響を及ぼす」
という表現は出来ないんじゃないかなと思う次第です。

 
すみません、最後になって話が逸れてしまいました…。
    

長々とした回答になってしまいました上に、見直してみると、
ご質問者様の期待に添えない回答になってしまっていますが(汗)どうぞご容赦ください! 

 

 
今日もご覧になっていただきありがとうございました。
  

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