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2013年4月25日 (木)

リメイク42~処方食ではなく手作り食を与えたいのですが…~

こんにちは、KONTANIです。

暖かい日が続いたかと思えば急に寒くなったり、ということで、
なかなか自宅の冬仕様を変更出来ずにいます(涙)。

急に冷え込んだ日は暖房代わりに布団乾燥期を使うのですが、
猫たちが布団乾燥期の温風が入ってくる部分を占領…
どこが一番暖かいのか、よく分かっていらっしゃいます(笑)

それでも、差し込んでくる日射しが徐々に徐々に暖かくなってきて、
猫たちが窓際にいることも増え、ああ、春なんだなぁと感じられるようになりました。

ゴールデンウィークの予定は皆様お決まりになりましたか?
ゴールデンウィークの翌々週(2013年5月15日(水)〜5月19日(日))は
フィルウは連休を頂きます。
ホテルやトリミング、クリニックのご予約のご希望がございます場合には、
どうぞお気をつけ下さい。


それではずいぶんお久しぶりになってしまいましたが、一問一答(リメイク)です!


【Question】
マレーシアにて、愛犬がストルバイト尿結晶と診断されました。
c/dを薦められたのですが、食べさせると吐くので今まで通り手作りご飯を与えたいと考えています。
c/dのようなドックフードを見てしまうと,普通のご飯でいいのかどうか悩んでしまいます。
具体的にどのような食事を与えたら良いのかアドバイスをいただけると幸いです。
宜しくお願いします。



【Answer】
ご質問をありがとうございます。
わんちゃんがストルバイト尿石症と診断されてしまったとのこと…
しかも海外にいらっしゃるということで、大変ご心配なことと思います。

ストルバイト尿石症は、犬でも猫でもよく見られる病態のひとつです。
が、膀胱や腎臓に『結石』が生じていない状況であれば、
食事を含めた環境の改善だけで状況が改善する可能性は十分にあります。

今回ご質問者様が問題視されているのは、
●獣医師から薦められた処方食(c/d)を食べると吐いてしまう
という部分ですよね。

処方食であろうが手作り食であろうが、どんなに優れた食事だったとしても、
愛犬がその食事を食べることができなければ意味がありません。
そういう意味で、ご質問者様のわんちゃんにとっては
『c/dという処方食は意味がない』と言えるかもしれません。

もし、処方食が食べられるなら安心なのに…とお考えであれば、
尿路疾患用の処方食はいくつかの会社から販売されていますから、
それらの中から『吐かない処方食』を探すのも方法だと思います。
(ただ、マレーシアでどれくらいの処方食が手に入るのかはわかりませんが)

もちろん、手作り食でも、結晶が生じているだけの状態であれば
十分に対応できると思います。
ただ、「ストルバイト尿結晶」という病態が存在するということは、
少なくとも健康体とは言いきれない状態であるため、
本来は診察の上で食事についてお話させていただきたいというのが本音ではあります。

とはいっても、ご質問として頂きましたので、ブログでお伝え出来る範囲
(つまり誤解を招かない範囲)でお伝えする努力をしてみようと思います。


今回のご相談に関しましては、ご相談者様のわんちゃんが
・ストルバイト結晶である
・c/dで病態がコントロールできる状態である
・その他に持病がない

ということを前提にお話しさせていただきたいと思います。


c/dで維持できる状態なら、c/dと同じ効果を盛り込んだ手作りでもいいのでは?
と思いますので、c/dがどのような効能を持っているのかお伝えしたいと思います。

【c/dの効能】
■マグネシウムとリンを制限
■尿pHを酸性化することで、ストルバイト結晶尿および尿石症の再発防止(予防)

(参考:日本ヒルズコルゲート株式会社 製品紹介)



実は、c/dの特性って、上記の二つだけなんです。
あ、すみません、表現が正しくありません。
もちろん、必要とされている栄養がきちんと含まれていたり、
ビタミン類が強化されたりなどの総合食としての特性もありますが、
「ストラバイト結晶」に対しての働きかけとしてはこの2つです。


さて、もう少し細かく見てみましょう。
■マグネシウムとリンを制限する理由
ストルバイト結晶は、正式名称を「リン酸マグネシウムアンモニウム結晶」といいます。
このリン酸マグネシウムアンモニウム結晶は、アンモニア、リンよおよびマグネシウムが
主成分となっており、これらが尿内で飽和すると、ストルバイト結晶が形成されます。

つまり、なぜマグネシウムとリンを制限するかといいますと、
「摂取量を減らすことで、結晶形成の条件となる飽和状態を回避する」ことが目的です。

つまり、マグネシウムとリンが存在することがNGなのではなく、
マグネシウムとリンが飽和していることが問題となるわけです。



そうすると、

尿中のミネラル濃度が高いことはNG
 ⇩
尿中のミネラル濃度を薄める(尿を薄める)
 ⇩
水分摂取量を増やす

という考え方も可能です。

また、水分量を増やすことで排尿の回数も増えますから、
水分摂取量を増やすことは膀胱内で結晶形成が起こる前に排泄を促すことになるため、
膀胱内での尿結晶が形成しづらくなるのも利点もあります。

『食事中のミネラルを制限すること』だけでなく、『尿を薄めること』に視点を当ててみることが
ミネラル制限に変わる方法として選択出来ると思います。

■尿pHを酸性化
pHが酸性であると、ストルバイト尿結晶は溶解します。
ですから、ストルバイト尿結晶が存在する場合には
なるべく尿のpHを酸性に傾けることが望ましいのは確かです。

ですが、そもそも尿路感染を起こしている場合には、細菌によりアンモニアが生じます。
アンモニアはアルカリ性物質のため、細菌感染時は尿はアルカリ性に傾いてしまいます。
つまり、尿路感染が生じている場合には食事内容云々に関わらずアルカリ尿になる、
ということです。

ところが処方食の中には強力な尿酸化剤を含んでいるものがあるため、
細菌感染を起こしているにも関わらず強制的に尿のpHを下げることができます。
ただ、その場合のリスクは「pHを下げすぎる可能性がある」ということです。
(尿路感染の治療が十分でない状態でpHだけを下げてつじつまを合わせようとしても、
 pHだけが低くなりすぎてシュウ酸結晶が生じてしまうケースも多々経験してきました)

ですので、アルカリ尿が存在する場合には、まず第1に尿路感染症を疑うこと。
尿路感染が存在する場合には、まずはその治療を行うこと。
それでもpHが気になる場合に食事を含む生活環境のサポートを行うとよいでしょう。

pHを下げる効果を期待出来るのは
ビタミンCを含む食材の摂取と、適度な運動です。
特に運動に関しましては、積極的に運動することで水分摂取量も増えますから、
<pHをさげる><尿を薄める>ということで、理論的にはc/dと同じ効果が期待出来ます。
(もちろん持病を持っていたり関節が悪いなどでたくさん運動が出来ない場合も
 あると思います、そのような時は決してご無理なさらないでください)

さて、ざっとではありますが、
ストラバイト結晶という病態の場合の対応を記載させて頂きました。

ですが、あくまで上記の内容は「一般的な対応」であり、
上記に記載した内容がすべてのストルバイト尿結晶の子に適応する内容、
というわけではありません。

ストルバイト結晶を患っている場合でも、
その子の年齢や環境、結石の有無や膀胱炎を併発している場合、
他に持病がある場合などで、当たり前ですが状況はまるで変わってきます。

今まで診察した中では、運動をしたほうがpHが上がってしまうタイプの子もいましたし、
ビタミンCのサプリメントを加えてもpHが下がらない子もいました。

色々な可能性を踏まえた上で、私のブログは『情報のひとつ』として取扱いください。

 
今日もご覧になっていただきありがとうございました。
  

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