« 2011年4月 | トップページ | 2011年6月 »

2011年5月

2011年5月12日 (木)

リメイク23〜フィラリア薬の飲ませ方〜

5月に入り暖かい日が増えてきたな~と思っていたら、昨日から雨降りでまた肌寒さを感じるようになりました。

花ちゃんがお店で落ち着かずうろうろしていたので、お役目終了したはずのゆたんぽを引っ張り出してみると、
満足したようでゆたんぽの上でくつろいでいました^^

5月はまだまだ油断大敵!
皆さまも気温の変化でお風邪など召されませぬようご注意くださいね。

さて、今年に入ってから、食育入門講座を定期的に開催させて頂くようになりました。おかげさまで、
毎回楽しく講座を行わせて頂いております。

私の講座に来てくださる方々は既に手作りにチャレンジして下さっている方が多く、
「手作りを初めてから、ごはん待ちのときの様子が明らかに嬉しそうになりました!」
とか、
「体臭がなくなりました!おしっこも便も臭いがほとんどしなくなりました!」
など、手作り食でのご報告を聞くこともできて、私も嬉しいです^^

といっても、講座を受けに来られる方は大なり小なりなんらかの悩みや不安を抱えているわけで、
講座中にいろいろご質問を受けながらお話をうかがっていると、
「栄養の偏りが心配で…」
「この子にとって自分の作る食事が合っているのかどうかが不安…」

というご不安が多いことに驚かされます。

今までは手作り食を実践していく場合に外見的な部分(毛艶、肉付きなど)は重要視していましたが、
血液検査などは(特に必要性を感じていなかったため)特にお勧めすることはしていませんでした。

ですが、最近は【客観的な指標】として定期的な検査を行うことも大切であると考えています。

なぜなら、血液検査などで全身の栄養状態や内臓状態を客観的に確認することで安心材料となったり、
逆になんらかの異常値が出てきた場合にはその状態に対してのアドバイスを行うことも可能になります。
また、定期的に血液検査を評価しておくことで、体調不良時などに健康時との比較が可能になり、
よりスムーズに治療方法を組み立てることもできるようになります。

食事は薬ではありませんが、薬を飲むほどではない【未病の状態】の体を整えていくことができるのは、
やはり食事の力が大きいと考えます。

もし、なんらかのご不安があったり、自信がない状態で手作り食を実践されていたりする場合には、
一度、食事内容などを見直すきっかけとしてご相談いただければと思います。


さて、それではご質問のリメイクに移ります。
前回に引き続き、今回もフィラリアについてのご質問にお答えしてみようと思います。

【Question】

完全手作り食で、育ててます。フレンチブルを飼ってますが、フィラリアのお薬を飲むと翌日、全身に赤い湿疹ができます。ワクチンでもアレルギーが出ました飲ませる前に、何かよい食材があれば教えてください。
お薬を飲むためにお薬で抑えるのは抵抗がありますできれば、フィラリアのお薬でさえ飲ませたくないんですけどそればっかりは、仕方ないと思ってます。あと、小分けにして3日に分けて飲ませてるって方もいらっしゃるんですけど、それでも効果は薄れないのでしょうか?体重別で処方されるのでやっぱり一度に飲んで初めて効果が出るのでは?そのあたりも教えていただきたいのです。

 
【Answer】

 
まず、
> フィラリアのお薬を飲むと翌日、全身に赤い湿疹ができます。
> ワクチンでもアレルギーが出ました。
> 飲ませる前に、何かよい食材があれば教えてください。

というご質問についてですが…

申し訳ありません、
【フィラリアのお薬に対するアレルギーが出る前に食べさせると良い食材】に関しましては、
私は知識を持たずお答えすることができません。

ですが、フィラリアのお薬は種類がいくつかあり、その種類を変えることでアレルギー反応が出なくなることもあります。
ですから、一番最初に行われるとよいかなと思うことは、食材を選ぶことよりも、
お薬の種類を変えられるかどうかかかりつけの先生とご相談されることかなと思います。

ただ、ご質問を読ませて頂く限りですと、湿疹が出なければ安心ということではなく、
お薬を飲ませなきゃいけないことが不安というお気持ちも存在しているのかなと
感じる部分もありますので、もう少し掘り下げて考察してみようと思います。

そもそも、【お薬を飲ませると湿疹が出る】という状況は、お薬が体に合わない為におこる
お薬に対する排除反応(排泄反応)の可能性があります。
フィラリアのお薬が犬の体に入ったのち、【体に合わない物質=異物】と認識されると、
皮膚を通して【異物】を排除・排泄しようとする反応が生じます。

排泄反応は【自分の体にとって異物であるものを排除しようとする反応】ですから、
その反応自体が悪いわけではありません。
ですが、そういった排泄反応が強く現れすぎてしまい、
●生命活動に影響を与えたり(アナフィラキシーヨック)する場合
●通常生活の負荷が多大になったり(強い痒みで眠れない、吐き続けるなど)する場合

には、その排泄反応を引き起こす原因そのものを摂取すべきではない、という考え方も
必要になってくると思います。

ただ、今回注意したいのは、たとえば鶏肉に対してアレルギー反応を起こす場合、
アレルギー物質を除去することはそれほど困難ではありませんが、
今回に関しまして、アレルギー原因物質である【フィラリア薬】を除去する対応を行った場合、
結果として、『フィラリア感染をおこすリスク』が生じてくることを考えなければいけません。

フィラリアは、今でこそ予防・治療の可能な病になりましたが、
かつての日本では犬の死亡理由の多くを占める病気でした。
現在は感染予防が進み、重度のフィラリア感染をおこしている犬を治療する機会は減りましたが、
まだまだ過去の病気では有りません。
現在でも、フィラリアに感染する犬、その結果死亡する犬は存在します。

私は「お薬を飲ませず、かつ、フィラリアに100%感染しない方法」は残念ながら存じ上げません。
フィラリアの投薬に関してのリスク(今回の場合、湿疹が出る)が存在する。
でも、フィラリアの投薬を中止することに関しても、リスクは存在します。

飼主様がきちんと「ご自身とペットにとって、どの方法(手段)が一番リスクが少ないか」を
考えなければいけないと思います。

獣医師は、リスク評価の中に個体としてのリスクだけでなく
『公衆衛生的なリスク(集団予防の必要性)』を合わせて考えるため、
『基本的にはお薬は飲ませるべき』という考え方をする方がほとんどでしょう。
私も、フィラリアのお薬は飲ませるべきだと考えています。

ですが、投薬によるリスクが強く出る子に関しては、
フィラリア感染のリスクも承知したうえで投薬しない選択も可能です。
かかりつけの獣医さんと良く相談しご自身が納得した選択が出来るように話をされるとよいのではと思います。

 

> 小分けにして3日に分けて飲ませてるって方もいらっしゃるんですけど、
> それでも効果は薄れないのでしょうか??
> 体重別で処方されるのでやっぱり一度に飲んで初めて効果が出るのでは?
> そのあたりも教えていただきたいのです。

基本的にフィラリアのお薬というのは飲んだ時に体内に存在しているフィラリアを駆虫する薬です。

普通、薬というのは吸収された後の血液中の薬品濃度により効果を出すものです。
つまり、十分に血中濃度が上昇しない場合、期待する効果が得られない可能性があります。

もちろん、お薬がどの濃度で効くか、というのは個体により違いますから、同じ体重のワンちゃんでも、
半分量で効果が出る子もいれば、倍量じゃないと効果がない子もいたりします。

そして、普通の飼主様は、
『自分の愛犬が薬を使用した時、どのくらいの吸収効率で、血中濃度がどれくらいまで高まる』
ということはご存じないわけですから、それであれば、統計が取られている「体重当たりの投薬目安量」
に沿って薬を投薬することが、実は一番損をしないのではと思います。
(損とは…自己判断で投薬量を減らしまった結果、「必要な血中濃度まで上昇せず、駆虫効果がでなかった」
ということになってしまうと、駆虫はできないのに、お薬はある程度体の中に入ってしまい、
内臓への負担だけが残る…というあまりにも嬉しくない状態になってしまうことです)

ということで、KONTANI的にはフィラリア薬の効果を必要とするのであれば
【一回量】を【きちんと】飲ませることをお勧めします。

以上、今日もだらだらと長く書いてしまいましたが、これでお答えとさせて頂きます。
東京ではもう蚊が飛んでいます!
みなさま、ぼちぼち投薬を初めて下さいね。

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * ** * * * * * *
 
 【食育入門講座開催のお知らせ】

   2011年6月13日(月)、7月10日(日)に、食育入門講座を開催致します。 
   詳細はHPにてご確認ください。 
   
http://www.filou.jp/food/index.html

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * ** * * * * * *

人気ブログランキング
Photo
  

 

 

 

………………【ペットクリニック フィルウ】手作り食 の 動物病院 ………………

  cloverFacebookページ【手作り食を楽しむ ペットホテルフィルウ】
   → http://www.facebook.com/pethotel.filou

  hairsalonフィルウブログです♪
   → 三毛猫 花とゆかいな仲間たち

  restaurant手作り食の疑問にお答えします!
   → 獣医師KONTANIの手作り食一問一答ブログ

  ペットホテル&クリニック フィルウ:http://www.filou.jp/
  スマートフォンサイト:http://www.filou.jp/sp/