新型インフルエンザウイルス騒動を見て思うこと
こんにちは、気がつけばゴールデンウィークも足早に過ぎ去り、
あんなにペットホテルもだいぶ落ち着きました。
みなさんが「もう終わっちゃった〜」と感じるゴールデンウィークは、
私にとっては「やっと終わった〜」という日々でもあります。
それにしても、今年のゴールデンウィークはいろいろ賑やかでしたね!
特に、個人的に新型インフルエンザに注目していました。
今回の新型インフルエンザ騒動で色々と思う所があったものですから、
本当であれば前回ブログの続きを更新すべきなのですが、その前にこの場所を借りて
自分の思う所を皆様にお伝えしてみようと思います。
ちょっと重く長いお話しになってしまうかも知れませんが、お付き合い下さいませ。
テレビやインターネットの情報網が発達し、
私たちは本当に手軽に、様々な情報を手に入れることができるようになりました。
その分、情報が氾濫しやすくなり、
本当なのか嘘なのかも分からない情報に踊らされる事も増えてきたように思います。
今回の新型インフルエンザウイルス騒動も、
様々な情報に日本全体がもてあそばれているような印象を受けました。
どこかで、「今回の騒動は、新型ウイルスではなく情報のパンデミックだ」
と表現している方がいましたが、うまく表現される物だと感心していました。
テレビを付ければ
やれどこやらで感染者が出た、
いや調べてみたら間違いだった、
そんな間にあちらでまた新たな感染がみつかった、
いやまた間違いだった…
感染を疑う人があの電車に乗ったかもしれない
あの場所にいたかもしれない…
毎日コロコロと変わる報道の真偽を確認するすべを持たない私たちは、
テレビや新聞から流れてくる情報を信じるしかありません。
ですが、マスコミの流す連日の「不確かな情報」により
国民が不安に包まれ、そのため医療機関や国への不信感が
意図的といっても良いくらいにあっという間に国民の間に
植えつけられていく状況が存在したと思います。
「診療拒否」とか「検疫漏れ」とか…
あたかも医療者や検疫関係者の落ち度であるかのような表現をよく目にしましたが、
報道陣は
日本国民を不安に陥れ、国民同士の信頼関係を崩壊させることが
仕事なのでしょうか?
こんなときこそ、報道の力を使って国全体の信頼関係を強化し協力し合うべき
だと思うのですが、国や医療機関のあら捜しをしているようにしか見えませんでした…
とても残念です。
と、話がずれてしまいました。
今回の新型インフルエンザ騒動を眺めつつ、私が非常に恐ろしいと感じていたこと。
それは、
『もし、今後、日本で狂犬病が発症してしまったら?』
ということでした。
そして、狂犬病が発症してしまった場合に、
今回のように、まことしやかに報道が情報を煽り立てたとしたら…
日本国民のパニックの矛先はどこに向かうのか…?
皆さんは、その状況を想像することができるでしょうか。
**狂犬病予防接種についてのちょっとした補足です**********
日本国で飼育される犬には、
狂犬病の予防接種が法律で義務づけられています。
「現時点で日本には狂犬病は存在しない(と言われている)のに、
なぜ毎年狂犬病のワクチンを打たなければいけないの?」
と疑問に思われている方もいらっしゃると思います。
予防接種を行う理由としては、狂犬病のワクチンは
「犬を狂犬病から守るためのワクチン」という意味以上に、
「日本国民を狂犬病から守るためのワクチン」
という意味があります。
つまり(極端に言えば)
人間の安全の為に、犬にワクチン接種を義務付けている
のです。
**********************************
以下は、一人の人間としてKONTANIが思っていることです。
私は、狂犬病の予防接種は受けるべきだと思っています。
それは、なぜか。
もちろん狂犬病という病気から、犬を、そして人間を守るため、という意味もあります。
でも、それ以上に…
もし日本で狂犬病が発生してしまったらどうなるか、
ということを考えるからです。
今回のインフルエンザ騒動を見ても分かる通り、
狂犬病が日本に発症してしまったとしたら、
十中八九、日本はパニックに陥るでしょう。
日本国民がが狂犬病パニックに陥ってしまったとしたら、
どのような状況が発生するか…。
想像するのも恐いです。
もしかしたら、私は一番最悪の事態を想像してしまっているかもしれませんけれど…
私が狂犬病の予防接種を受けるべきだと考えているのは、
この危うい日本の中で、
狂犬病が発症してしまった時に、
狂犬病の予防接種証明書、そして国への登録を行っていることが
「パニックに陥ってしまった世間から犬達を守るための【免罪符】だ」
と考えているからです。
以上が、一人の人間としての意見です。
そして、今更ながら、私は国から免許を頂きました獣医師でもありますから…
(今さらですね、苦笑)
みなさん、狂犬病の予防接種はちゃんと受けましょうね!
もし、体調不良や病気治療中のため狂犬病の接種が出来ない場合には、
かかりつけの先生に相談して、「狂犬病予防接種の免除」をお願いしてください。
「うちの子噛まないから…」なんて言う理由はダメですよ!
ああ、稀にちゃんとした(?)獣医らしいことをいうと肩が凝ります。
私の長い独り言にお付き合い下さりありがとうございました。
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コメント
「狂犬病が日本に発症してしまったとしたら、十中八九、日本はパニックに陥るでしょう」というあなたの主張は、新型インフルエンザ騒動のマスコミと何ら変わりません。
マスコミを獣医師、新型インフルエンザを狂犬病に置きかえて記事全体を読み返してみればよく分かります。
しかも、一人の人間としての意見ではなく、狂犬病の予防接種で潤う業界人の一人としての意見です。
飼い主を不安に陥れ、飼い主同士の信頼関係を崩壊させることが 獣医師の仕事なのでしょうか?
投稿: | 2009年5月 9日 (土) 16時04分
う~~ん… 何だか 先生が誤解されているような気がしてきました。
他人様の書かれたことに反論するのは この場にはふさわしくないように思ったのですが… でも やはり書かせてください。
もし狂犬病が発生してしまったならば、注射を受けていないワンコは、有無も言わさず 処分になるのではないですか?
だから 愛犬がそうならないために、紺谷先生は 狂犬病の予防接種をきちんと受ける もしくは猶予証明書を出してもらうようにと お話されているのだと思いますが。違いますかね…?
もし この新型インフルエンザが狂犬病だった場合、疑いありの段階での不確かな報道をされた時点で もう即処分になるのではないか?と私は恐ろしく思いましたよ。
私は、紺谷先生のお話を直接お聞きしたことがありますが、しっかりとした考えをお持ちの獣医さんです。
また 人間としても尊敬できる方ですよ~。
投稿: M.F | 2009年5月 9日 (土) 21時46分
コメントをありがとございました。
自分の表現能力が足りない事で、私のブログを読まれて不快に思われた方がいらっしゃった事、本当に申し訳ございませんでした。
確かに、私が「狂犬病が発生したら日本はパニックになるでしょう」と表現した事は、飼主さまを不安にさせる軽率な発言だったかもしれません。
私が想像している「危険な事態」が一生、生じてこない可能性だって、もちろんありますよね。その場合、確かに私がお伝えしようとしていた事は単なる杞憂であり、百害あって一理なしの情報、人騒がせな情報になってしまう事でしょう。
でも、たったの1%であっても、発生してくる可能性がある「危険な事態」が生じる前に、「その発生しうるかもしれない危険な事態を避けるため」の知識や心構えは必要だと思っています。
そして、それを啓蒙するのが、獣医師としての役目だと思っています。
今回の記事を、やみくもに恐怖をあおるつもりで記載したわけではありませんでしたが、もしご不安に思われてしまった方、ご不快に思われた方がいらっしゃいましたら、ブログでもメールでもどのような形でもお伝え下さい。
私ができる範囲で、誠意を持って回答させて頂きたいと思います。
投稿: KONTANI | 2009年5月 9日 (土) 22時50分
>M.F.さん
コメントをありがとうございました。
私の至らない部分を、言葉優しく補って下さってありがとうございました。
実際は、そのような事態が生じる前に対応する事(日本に狂犬病が入ってこないように対応する事)が一番大切な部分だと思いますし、そうあってほしいと願っています。
でも、確かに私の書き方は恐怖心を煽るものだったかもしれません。
今後は補足して頂かなくてもきちんとお伝え出来るように尽力したいと思います。
投稿: KONTANI | 2009年5月 9日 (土) 23時03分
いつも楽しく、拝見させていただき、
勉強させてもらっています。
私は、ワクチン接種自体には賛成です。
やはり、危険から回避できることはすべきだと思います。
ただ、ワクチンの過剰摂取による弊害というのも
動物と暮らすものにとってはとても心配なことだと思います。
米国獣医学協会の臨床試験でワクチンの効果の最短持続期間の結果から、成犬へのコアワクチン接種は3年ごとと提言しているそうですが、アメリカでは抗体価検査をしてみて、それぞれの個体に必要なワクチンのみを接種すると言う方法がとられている州もあるということだそうで、日本でもそういう方法がとられるべきじゃないかと思うのですが。
毎年接種しなくても、抗体価が確認されれば、それだって免罪符になり得ますよね。
まだ日本では抗体価検査にかかる費用が高く敷居が高いです。
ワクチンか抗体価検査かが当たり前のように選択できるようにはならないのでしょうか。
投稿: ゆう | 2009年5月10日 (日) 14時40分
>ゆうさん
コメントありがとうございます。
ご意見、ごもっともだと思います。
「抗体価」という認識が、もっと世間一般に広がっていくようであれば、いつか「抗体価」が免罪符代わりになることもあるかもしれません。
ただ、残念ながら現在の日本では世間一般として「抗体価」という言葉への認識は薄いことが現状であり、まだこの言葉が免罪符として成り立つような状況ではないと思います。
狂犬病に関しては、ペットを飼っている方だけでなくペットを飼っていない一般市民の方でも「抗体価を確認しているなら大丈夫」という認識にならなければ、【抗体価=免罪符】という状況は成り立ちません。
犬を飼っている人だけでなく、犬を飼っていない人にも理解して頂けるような努力も必要ですね。頑張りたいと思います。
投稿: KONTANI | 2009年5月12日 (火) 16時40分