アブラナ科の食材について
こんにちは、KONTANIです。
前回の更新からまたもや1か月近くの月日が流れてしまいました…
続きものだったのに、こんなに期間が空いてしまい、申し訳ありませんでした。
早速、前回のご質問に対する回答の続きをお伝えしていきたいと思います。
前回は、甲状腺機能低下症という症状が、どのような状況で発生する可能性があるのか、についてお伝えさせていただきました。
次に、アブラナ科の植物のどのような成分が、甲状腺機能に対してどのような影響を及ぼすと考えられているのか調べてみましょう。
アブラナ科の植物の中には、「グルコシノレート」という物質が含まれています。この「グルコシノレート」は、抽出など種々の反応によって「ゴイトリン」という物質に変化します。
この「ゴイトリン」という物質が、甲状腺において、【ヨウ素】の取り込みの邪魔をすることが知られています。
【ヨウ素】は、甲状腺ホルモンの原材料となる物質です。
ですから、『甲状腺へのヨウ素の取り込みが邪魔される=甲状腺ホルモンの原料となるヨウ素が不足する』という状態となり、甲状腺ホルモンそのものを生成することが出来なくなり、甲状腺ホルモンの産生の低下が生じます。
この部分だけ書くと「じゃあゴイトリンになる可能性がある物質を含んでいるアブラナ科の食材は食べないほうがいいのでは?」ということになりますが…
もう一度上記の文章を読みなおしていただきたいのですが、キャベツやブロッコリーなどのアブラナ科の食材にはヨウ素を阻害するゴイトリンそのものが含まれているわけではありません。
ゴイトリンに変換される可能性がある「グルコシノレート」が含まれているのです。
それでは、グルコシノレートという物質の危険度をどれくらいと考えるべきなのか?という視点に立ってみると、
●グルコシノレートからゴイトリンへの変換が促進されるのは『抽出』や『粉砕』などの強い刺激による場合が多いこと
●キャベツやブロッコリーは品種改良が進み、ゴイトリンに変換されて問題になるほどのグリコシノレートは含まれていない可能性が高いこと
という状況(環境)も存在するようです。
つまり、確かにゴイトリンそのものは、甲状腺機能低下症を有している動物にとっては避けたい栄養素ではあるかもしれません。
ですが、例えば食事の中の野菜の一種類として、一口二口程度のアブラナ科の植物を食べた程度で、甲状腺機能に異常を呈するほどのゴイトリンを生ずるほどのグリコシノレートをはたして摂取できるのか?というのも考慮すべきところだと思います。
もちろん、アブラナ科の植物を食べなければ生きていけないというわけでは全くありませんから、ご心配であれば、食材の中からアブラナ科の野菜を完全に排除していくというのも選択肢のひとつであると思います。それは別に悪いことでもなんでもなく、飼主さまが安心して続けていける手段・方法を選択していただければ良いのです。
とはいっても今回のご相談の場合には、ワンちゃんは「甲状腺機能低下症」という診断がまだついているわけではありませんので、この段階で完全にはじかなければいけないほどの食材でもないかな〜と思います。
でも、
面白いなーと思うことは、ゴイトリンの元になる物質であるグルコシノレートは、一方で「体に良い働きをするもの」という面もあるのです。
グルコシノレートは『イソチオシアネート』という物質を経由してゴイトリンになるのですが、この経由物質であるイソチオシアネートは化学発がんを抑制することが報告されているようで、『適量』を摂取することで、癌に有効『かもしれない』という可能性が認められているようです。(ただし、まだ研究段階のもののため、その有効性は保障されていないようですので、丸のみ鵜呑みになさいませんようお願いいたします)
つまり、グルコシノレートは「甲状腺機能低下症にとっては悪役になる可能性」をもっていますが、「癌にとっては救世主になる可能性」を持っていることになります。
栄養を勉強していくと、面白いなーと思うと同時に、本当に不思議だなーと思います。
同じ成分をとってもよい面と悪い面がある。
じゃあこの栄養素は食べた方が良いの、食べない方が良いの、どっちなの?
ってことになるかもしれませんが、
そういうことでもなく、
それらの良いとこ悪いとこ含めて食べて、初めて「食事」なのかなと。
良い部分はもちろん大切なわけですが、悪いと思われている部分であっても、その悪影響をきっかけとして、実は体をより活性化させるために必要な栄養素であったりするかもしれません。
例えば、私たちが小さい頃からウイルスや細菌に触れながら体の免疫力を強めていくように。
そう思うと、世の中には必要のない物はないんじゃないかなーと思ったりもします。要はバランスの問題だったりするのだろうなと。
で、そのバランスと言うのが個体個体で違うために、さじ加減が難しい部分があるし、「●●をこれだけ食べたら▲▲に効果がある!」 もしくは「◆◆をこれだけ食べたら××に悪影響を及ぼす」などという表現は難しくて出来ないのじゃないかと。
おっとっと、だいぶ話が脇道にそれてしまっていました。
食材などについて、もう少し触れようと思っていた部分があるのですが、とりあえず長くなってしまったので,本日はここまでとさせていただきます。
次回は必ず近いうちに…(汗)更新させて頂きます、皆様、見捨てずどうぞよろしくお願い致します。
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