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2009年4月25日 (土)

アブラナ科の食材について

こんにちは、KONTANIです。

前回の更新からまたもや1か月近くの月日が流れてしまいました…
続きものだったのに、こんなに期間が空いてしまい、申し訳ありませんでした。

早速、前回のご質問に対する回答の続きをお伝えしていきたいと思います。

前回は、甲状腺機能低下症という症状が、どのような状況で発生する可能性があるのか、についてお伝えさせていただきました。

次に、アブラナ科の植物のどのような成分が、甲状腺機能に対してどのような影響を及ぼすと考えられているのか調べてみましょう。

アブラナ科の植物の中には、「グルコシノレート」という物質が含まれています。この「グルコシノレート」は、抽出など種々の反応によって「ゴイトリン」という物質に変化します。
この「ゴイトリン」という物質が、甲状腺において、【ヨウ素】の取り込みの邪魔をすることが知られています。

【ヨウ素】は、甲状腺ホルモンの原材料となる物質です。

ですから、『甲状腺へのヨウ素の取り込みが邪魔される=甲状腺ホルモンの原料となるヨウ素が不足するという状態となり、甲状腺ホルモンそのものを生成することが出来なくなり、甲状腺ホルモンの産生の低下が生じます。

この部分だけ書くと「じゃあゴイトリンになる可能性がある物質を含んでいるアブラナ科の食材は食べないほうがいいのでは?」ということになりますが…

もう一度上記の文章を読みなおしていただきたいのですが、キャベツやブロッコリーなどのアブラナ科の食材にはヨウ素を阻害するゴイトリンそのものが含まれているわけではありません。
ゴイトリンに変換される可能性があるグルコシノレート」が含まれているのです。

それでは、グルコシノレートという物質の危険度をどれくらいと考えるべきなのか?という視点に立ってみると、

●グルコシノレートからゴイトリンへの変換が促進されるのは『抽出』や『粉砕』などの強い刺激による場合が多いこと

●キャベツやブロッコリーは品種改良が進み、ゴイトリンに変換されて問題になるほどのグリコシノレートは含まれていない可能性が高いこと

という状況(環境)も存在するようです。

つまり、確かにゴイトリンそのものは、甲状腺機能低下症を有している動物にとっては避けたい栄養素ではあるかもしれません。

ですが、例えば食事の中の野菜の一種類として、一口二口程度のアブラナ科の植物を食べた程度で、甲状腺機能に異常を呈するほどのゴイトリンを生ずるほどのグリコシノレートをはたして摂取できるのか?というのも考慮すべきところだと思います。

もちろん、アブラナ科の植物を食べなければ生きていけないというわけでは全くありませんから、ご心配であれば、食材の中からアブラナ科の野菜を完全に排除していくというのも選択肢のひとつであると思います。それは別に悪いことでもなんでもなく、飼主さまが安心して続けていける手段・方法を選択していただければ良いのです。

とはいっても今回のご相談の場合には、ワンちゃんは「甲状腺機能低下症」という診断がまだついているわけではありませんので、この段階で完全にはじかなければいけないほどの食材でもないかな〜と思います。

でも、
面白いなーと思うことは、ゴイトリンの元になる物質であるグルコシノレートは、一方で「体に良い働きをするもの」という面もあるのです。

グルコシノレートは『イソチオシアネート』という物質を経由してゴイトリンになるのですが、この経由物質であるイソチオシアネートは化学発がんを抑制することが報告されているようで、『適量』を摂取することで、癌に有効『かもしれない』という可能性が認められているようです。(ただし、まだ研究段階のもののため、その有効性は保障されていないようですので、丸のみ鵜呑みになさいませんようお願いいたします)

つまり、グルコシノレート「甲状腺機能低下症にとっては悪役になる可能性」をもっていますが、「癌にとっては救世主になる可能性」を持っていることになります。

栄養を勉強していくと、面白いなーと思うと同時に、本当に不思議だなーと思います。

同じ成分をとってもよい面と悪い面がある。

じゃあこの栄養素は食べた方が良いの、食べない方が良いの、どっちなの?
ってことになるかもしれませんが、
そういうことでもなく、
それらの良いとこ悪いとこ含めて食べて、初めて「食事」なのかなと。

良い部分はもちろん大切なわけですが、悪いと思われている部分であっても、その悪影響をきっかけとして、実は体をより活性化させるために必要な栄養素であったりするかもしれません。

例えば、私たちが小さい頃からウイルスや細菌に触れながら体の免疫力を強めていくように。
そう思うと、世の中には必要のない物はないんじゃないかなーと思ったりもします。要はバランスの問題だったりするのだろうなと。
で、そのバランスと言うのが個体個体で違うために、さじ加減が難しい部分があるし、「●●をこれだけ食べたら▲▲に効果がある!」 もしくは「◆◆をこれだけ食べたら××に悪影響を及ぼす」などという表現は難しくて出来ないのじゃないかと。

 

おっとっと、だいぶ話が脇道にそれてしまっていました。

食材などについて、もう少し触れようと思っていた部分があるのですが、とりあえず長くなってしまったので,本日はここまでとさせていただきます。
次回は必ず近いうちに…(汗)更新させて頂きます、皆様、見捨てずどうぞよろしくお願い致します。

△▼△お知らせです△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼

山形県山形市で、ペットの食育入門講座を開催します!

 詳細はこちら→http://www.filou.jp/news/090409.html

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2009年4月 1日 (水)

山形県でペットの食育入門講座を開催します!

本日は食育入門講座のお知らせから。(一問一答はお知らせの後に続きます!)

2009年5月17日(日)に、山形県山形市のすずかわ犬猫病院の場所をお借りしまて、KONTANIがペット食育協会主催の『食育入門講座』を開催させていただくことになりました!

ペットの食育講座では、「食」を通して、毎日を健康で元気、幸せに過ごすために必要な知識をお伝えしたいと思っています。

●ペットの食に関心のある方
●手作りごはんにチャレンジしてみたい方
●ペットの健康、病気の予防に興味のある方
●手作りごはんを作っている人とお話ししたい方

その他、どんな動機でも、「学びたい」という意欲のある方なら大歓迎です。

ペットフードも手作り食も、よいトコ取りをして、毎日を元気で幸せに過ごしましょう♪

ご興味のある山形市近隣の方は、ぜひこの機会にご参加ください♪

 

これまでのKONTANIの入門講座にご参加頂いた皆様からの感想です。
 
▽ ▽ ▽ ▽
受講させて頂くまで、手作り食の方がペットフードよりも栄養などの面で劣っていると思い込んでいましたが、手作り食のよい面をたくさん知ることが出来ました。
自分の犬に合った手作りごはんを探してみたいと思います。
なんだか、愛犬とのきずなも深まりそうな気がします。
大木様

最初はすこしめんどうくさいと思っていましたが、愛犬の顔、アレルギーの具合をみていると、今では作るのが楽しいです。
講座に参加して、疑問に思っていたことも解決しましたし、他の方の意見も聞けてとても勉強になりました。ありがとうございました。
河井様

少人数だったため、いろいろな質問をさせて頂くことができてよかったです。丁寧に答えて下さりありがとうございます。
この講座の内容を参考にして、これからはもっと楽しく手作り食を作って行きたいと思います。
芽衣ママ様

△ △ △ △

ご参加くださった皆様、ありがとうございました。

<以下詳細です>

【場所】 すずかわ犬猫病院 (山形県山形市花楯1-21-15)

【日時】 2009年5月17日 (日)  14:00~16:30

【募集人数】 最高10人

【料金】 1名様 3,500円 (当日受講前にお支払いください)

【内容】 手作り食・ペットフードのメリットデメリット
     体の排泄のしくみ
     手作り食を始めるにあたって注意すべきこと
     食べさせてはいけない?食材
     その他
   ※病気に対する治療方法などは内容には含まれません

そのほか、参加者の方の疑問・質問にも時間が許す限りお答えします。

【参加申込方法】 メールで受付けいたします。
filou-info★filou.jp(★の部分を@に変えてアドレスとして下さい) 。その際、件名は『食育入門講座受講希望』でお願い致します。
お名前・ご住所・当日連絡がとれる電話番号・メールアドレス、また、食事(フード、手作り食どちらでも)について知りたい質問がありましたらご記入願います。
お申し込みいただきましてから、こちらから確認メールを返信致します。

【注意事項】
※犬猫を同伴しての参加は出来ません。
※講座の録音・録画はお断り致します。
※あくまでもペットの食育を楽しく学ぶ講座ですので、講座の進行を妨げる可能性がある方は参加をご遠慮願います。
※定員に達した場合は受付を締切りますのでご了承下さい。

それでは、皆様からのお申込をお待ちいたしております。

 

(一問一答ブログに突入する前に、1回写真をクリックお願いいたします~^^)

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さて、それでは本日のご質問に移りたいと思います。

飼っている犬(雑種♂7歳)がもう2年ほど皮膚炎に悩まされています。
かゆみで血がにじむほど舐めたり噛んだりひっかいたり、最近ではあごの下や両脇、両腿の内側に茶色っぽいベタベタしたものが出るようになりました。毛もぼそぼそ抜けて、見るからに気の毒な有様です。
獣医さんは皮膚のダニやカビの検査をしましたが、結果には異常は出ませんでした。鍼も試しましたがあまり良くなりません。今は我流ですが舐めるのを止めるためにエリザベスカラーを付けて2ヶ月。状態がだいぶ上向いたもののストップしました。
本を読んで調べてみると、こうした皮膚症状や寝てばかりいるところなど、甲状腺機能低下症の症状によく似ています。獣医さんに相談しましたが、何かのアレルギーの可能性のほうが大きいと思うので検査はしないと言われました。

転院も考えましたが、子犬の時にかかったジステンパーをはじめ、色んな病気でこれまでにたくさん薬を飲んできたので、思い切って手作り食を始めてみました。喜んで食べるようになって、いつもダラダラしていたのが食事の時には起き上がって催促するようになりました。
もし、本当に甲状腺機能低下症ならアブラナ科の白菜やブロッコリーなどは良くないそうですね。
他に避けた方がよい食材や、積極的にとった方がよい食材があれば教えてください。

こんにちは、ご質問をありがとうございます。
愛犬のために、手作りを始めていただいたのですね!

喜んで食事を食べてくれる様子を見られるのは、本当に嬉しいですよね。

少しでも、手作りごはんで皮膚炎が改善してくれるともっともっと嬉しいですね、そしてそのお手伝いをこのブログでさせていただける事も、本当に嬉しいです。

 

さてさて、ご質問の内容に関しましてですが、大雑把に要約してみると
「甲状腺機能低下症であった場合、アブラナ科の白菜やブロッコリーは食べない方が良いのか?」という事でよろしいでしょうか。
とはいっても、ご質問頂きましたワンちゃんは甲状腺機能低下症かどうかの診断は(メールを頂いた時点では)行っていないようですから、まずはご心配があるようであれば、検査/診断を受ける事をおすすめさせていただきます。

アブラナ科の植物に関しましては、巷ではいろいろな噂が流れているようです。
「アブラナ科の植物は、甲状腺によくないと聞きました」というご相談を受けた事もあります。とはいっても、そういった巷の噂と言うのは結構な確率で「なぜ」の部分が抜けて一人歩きしているものが多いんですよね。

「アブラナ科の植物は甲状腺によくない」ではなく、「アブラナ科の植物は『なぜ』甲状腺によくないのか」、という部分を確認する事が実は非常に大切だと思うわけですが、ネットの情報ばかりを追いかけたり、人づての話ばかりが先行してしまっていると、一番大事な部分が抜けおちてしまった状態で一人歩きしてしまうので、噂が勝手に大きくなったり誤解されて伝わってしまったりする事があります。(まあ、それはペットの食に限らないモノだったりもするわけですが…)

ということで愚痴ってもしょうがありませんので、本日は「甲状腺機能低下症であった場合、アブラナ科の白菜やブロッコリーは食べない方が良いのか?」について触れてみたいと思います。

まずは、甲状腺機能低下症についてお伝えしてみようと思います。結構ややこしいですが、なんとか読者の皆様、読んでみてください!

甲状腺はのどの下部に存在する、生物にとって重要な臓器です。

この甲状腺からは「甲状腺ホルモン」と呼ばれる代謝活性に関わるホルモンが分泌されています(このホルモンが存在するおかげで、生物は基礎代謝が維持できます)。

甲状腺の病気、というと「甲状腺機能亢進症(ホルモン過剰の場合)」と「甲状腺機能低下症(ホルモン不足の場合)」が思い当たります。とはいっても、ホルモンが多い少ないという症状は共通であるとしても、ホルモンの過不足の原因はひとつなわけではありません。

例えばご質問にあった甲状腺機能低下症の発生機序について考えてみると、

① 甲状腺そのものの異常で甲状腺ホルモンが分泌できない場合
② 甲状腺刺激ホルモン(甲状腺ホルモンを分泌させる為のホルモン)が減少しているため、甲状腺そのものには異常がなくても甲状腺ホルモンの分泌が減少する場合
③ 甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(甲状腺ホルモンの分泌させる為のホルモンである甲状腺刺激ホルモンを分泌させる為のホルモン)が減少している為、甲状腺そのものには異常がなくても甲状腺ホルモンの分泌が減少する場合
④ ホルモン分泌量は十分にあるけれど、ホルモンそのものに体が反応しない

と、少なくとも上記のような4つの原因の可能性が考えられます。

もう少し細かくみると、
①の場合、甲状腺ホルモンを分泌する、甲状腺そのものの問題が存在する可能性
②の場合、甲状腺刺激ホルモンを分泌する、脳下垂体の問題が存在する可能性
③の場合、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンを分泌する、視床下部の問題が存在する可能性
④の場合、甲状腺ホルモンを感知し受け入れる為の受容体の問題が存在する可能性(ホルモン分泌には問題なし)

という感じです。
(非常にわかりにくいホルモンの名前と部位名称で恐縮です)

少しでも理解しやすく?なればと思って、甲状腺ホルモンや甲状腺刺激ホルモンなどの関連性を描いた図をアップさせていただきます。

Photo_2  

 

 

 

 

 

つまりつまり、現時点で症状として現れているのが「甲状腺ホルモンの低下」であったとしても、おおもとの原因が体の『どの部分にあるか』で治療内容は変わってくるのが通常です。

その上で、たとえば今回のように『アブラナ科の植物が甲状腺機能低下症に良くない』という情報を受信した時には、ただ闇雲によくないということではなく、「どのような部分に作用」して、「どのような悪い影響を及ぼす可能性」があるのか?と言う事を考慮する必要が出てくるのではないかな?と思います

「そんな回りくどい事言わずに、食べていいのか悪いのかを教えてください!」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。でもごめんなさい、私はそんなに優しくないのでして、皆様が期待されるような親切なお答えは私には出来ないわけです…申しわけありません。

と、それでは本日はこの辺でいったん終了としたいと思います。
続きは次回の一問一答ブログでお伝えします、もうしばらくお待ちくださいね~。

 

 

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