« 2009年2月 | トップページ | 2009年4月 »

2009年3月13日 (金)

腎不全の猫ちゃんの状態報告

こんにちは~

緩やかに温かさを感じられる日々が増えて来ましたね。
もう春も近いかな?と思わせてくれる日も増えました。

春の訪れとともに…、
フィルウにマスクをされてご来院される方が増えました。
特に風が強い日は大変なようです。なにがって…、そう、花粉が
私は今年も何とか花粉に負けずに乗り越えられそうな予感ですが…ある日突然やってくる、といわれる花粉症に、実は毎年ドキドキおびえています(苦笑)

  

さてさて、本日はご質問への回答ではないのですが( ゴメンナサイ(;・∀・))、以前にブログに登場していた猫ちゃんの病状の事後報告をさせていただきたいと思います。

 

昨年の3月のブログで、腎不全末期の猫ちゃんについてチラリと触れさせていただいていました。
http://filou.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/index.html

 

先日ブログをいつもご覧になってくださっている方から、「あの時の猫ちゃんはどうなったのですか?気になるので教えてください」と、お問い合わせを頂いてしまいました(汗)。
私自身は常に診察で様子を把握しているのであまり気にしていなかった(…というより過去の皆様へご報告したことを失念していた)という状況で、実に書き逃げのような状況で放置してありまして…心を寄せていてくださった皆様へ、お詫び申し上げます。

   

ちょっと遡って状況を説明させていただきますと…

昨年1月に他院で「腎不全末期(BUN 200over、Crea 7over、食欲なし)」の診断を受け、余命一週間宣告をされていた年齢不詳(10歳は越えている)の「ぼたん(愛称・ぼーちゃん)」。
その後、縁あってフィルウにご来院頂き、通院のストレスなどを考慮し、ご自宅でのケアを中心にして往診でのケアを行っていました。

当クリニックでの治療をはじめてからも、約2ヶ月の間は、食欲不振と猫カゼの症状に悩まされ、苦しい時期を過ごしました。でも、そんな中で飼主様が気丈に「とにかく、やれることをやろう」と肝を据えて、全力でケアをしてくださった結果…

ぼーちゃんは、約3ヶ月目で食欲を取り戻しはじめ…

それから 驚くべきスピードにてめきめき回復

闘病中、げっそりとやつれていたのは幻だったのか?と思えるほど、今は毛艶もよくふっくら丸々しており、同居猫3匹の中で一番年上なのにも関わらず、一番元気でやんちゃになりました!誰よりも元気におうちの中を走り回っています。

今も定期的に診察をして、安定した状態を持続するためのアドバイスと治療は行っていますが、多少のアップダウンはあるものの、おおむね一年の間、状態をこじらせることなく元気に過ごしてくれています。

 

【ちなみに、ココは食事ブログですから参考までにぼーちゃんの食事をご紹介】

こんな劇的な改善を遂げた子だから、さぞかし食事には手をかけているに違いない…と思われた方がいらっしゃるかもしれません。

でも実は…闘病中にいたっては「とにかく食べてくれるなら何でもよし。食を選ぶのは食欲が出てきてから」として、とにかく質は二の次で、食べそうなもの・好みそうなもの…あらゆる種類の猫缶やドライフード、肉魚を並べていたものです。

 

そして、病気が回復して、今や食を選べるようになったぼーちゃんが現在選んで食べているのは、手作り食でも処方食でもない一般のドライフード(プレミアムフード)。

なぜKONTANIのもと、手作りではなくフードを食べているのか?

答えは簡単です。
食 べ て く れ な か っ た からです。手作りを… (´;ω;`)ウウ・・・

カツオ節やナマリはちょいちょい食べてくれるのですが、単品のみでしか食べず、野菜など混ぜようものなら途端に食べてくれなくなるとのことで…『さすが猫』、という気持ちになります。

 

基本的には、腎臓が弱っている子には水分たっぷりの食事を!と私自身は常に考えているし、そのように指導もしてはいるのですが、そんな指導をしている中で、水分ほぼゼロのドライフードで、しかも腎臓用処方食でもない食事を食べていても元気に過ごしている元・腎不全末期のぼーちゃんを見ると、

「動物って、私が考えているよりもはるかに強いんだなー」

としみじみ感じます。

 

まあ、もちろんぼーちゃんような稀な一例だけで全てを語ることはもちろんできないわけですが、それでも、ぼーちゃんの治療に関わらせていただいて強く感じたことは、

大切なのは、「どんな治療を行うか」「どんな食事を食べるか」という端々の部分ではなく、
●その子自身の生命力を信じる強さを持つこと
なのかなと感じています。

これは、実はとても難しいことだと思います。でも、だからこそ、末期の腎不全から回復する強さを見せてくれたぼーちゃんと、そのぼーちゃんの生命力を信じて諦めなかった飼主さまに、私は感謝せずにはいられません。

Photo  

←今は穏やかなぼたんさんの寝顔です。見ているだけで幸せ~になれる寝顔なんですよ。

 ブログを見てくださっている皆様にも、ぼーちゃんの強さが届きますようにheart04

 

 

最後はKONTANIの独り言みたいになってしまっていましたが、最後までお付き合いくださいました皆様、どうもありがとうございました。

「質問には全く応えてないけれど、こんなブログもたまにはあってもいいよね」と思ってくださったやさしい皆様、そのやさしさついでに下の写真をポチっと押していただけると嬉しいです。

Photo 人気ブログランキングへ

 

それでは本日はこれで!

 

☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆  

ブログで答えてほしいご質問や、手作り食での嬉しいご報告などございましたら、
こちらからお願いいたします。
 → フィルウお問い合わせ (ブログやHPで順番に回答させていただきます)

フィルウのトリミング風景です♪
 → 三毛猫 花の トリミング レポート

フィルウ特製手作りごはんのブログはこちら♪
 → ペットホテル フィルウの特製手作りごはん

その他、フィルウへのお問い合わせはこちらからどうぞ。
 → 03-6427-0303
 → フィルウお問い合わせ

★  ☆  ★  【フィルウ】 手作り食 と 自然療法 の 動物病院です ☆   ★    ☆ 

| | コメント (5) | トラックバック (0)

2009年3月 5日 (木)

処方食を食べると吐いてしまいます…その2

ひな祭りの日には、またしても世田谷で雪が降りました!
(読み返すと、前回ブログ更新時も雪が降っていたようです)

道路は平気でしたが、車や家の屋根にはうっすら雪化粧がなされていました。
もう平気だろう~と甘く見ていたら、まさかの雪…。
寒くてふるえましたが、でもひな祭りの日は、雪のおかげ?でとても楽しい時間を過ごすことができたので、そんな雪にも感謝☆なのです。

 

さてさて、それでは前回のご質問の続きに入りたいと思います。

 

前回は、「c/d」の果たす役割、効果についてお伝えさせていただきました。
c/dの役割/目的は「ストルバイト結晶尿および尿石症の再発防止」です。
では、その内容をもう少し細かく見てみましょう。

 

■マグネシウムとリンを制限

ストルバイト結晶は、正式名称を「リン酸アンモニウムマグネシウム」といいます。このリン酸アンモニウムマグネシウム結晶は、リンよびアンモニウムイオン、マグネシウムが主成分となっている結晶です。
これらリンなどのミネラル塩が尿中で過飽和状態になることが、ストルバイト結晶の「形成条件」のひとつとなります。

つまり、マグネシウムとリン摂取を制限する理由は「結晶の原料となる物の摂取量を減らすことで、結晶形成の条件となる過飽和状態を回避すること」という考え方から生じる物です。

「過飽和状態を回避するために、マグネシウムとリンの供給を制限する」
この理解はとても大切です。

というのは、
多くの方が「マグネシウムとリンが存在することが原因で、結晶ができる」
誤解されていると感じるからです。

マグネシウムとリンが尿中に存在するのは当たり前のこと(生理現象)であり、マグネシウムやリンを尿中から【ゼロ】にすることを求めているのではありません。
「尿中の過飽和」の状態を回避することが大切なのであって、摂取制限は、その手段のひとつに過ぎません。

では、過飽和を防ぐために摂取制限以外にできることは?ということになりますが、

過飽和尿中のミネラル濃度が高い 

尿中のミネラル濃度を薄める尿を希釈する

水分摂取量を増やす

尿を薄めて希釈することでも十分に過飽和の状態を回避することが可能です。
また、水分量を増やすことで排尿の回数も増えれば、膀胱内で結晶形成が起こる前に尿を排泄することもできるようになり、さらに尿結晶を形成する条件を少なくすることが可能です。

 

尿pHを酸性化
 
pHがアルカリ性であると、ストルバイト尿結晶の溶解性が低下(溶けづらい環境化)します。ですから、ストルバイト尿結晶が存在する場合には、なるべく尿のpHをアルカリ性から酸性にシフトるすることが望ましいといえます。

尿のpHを酸性化する場合にまず一番最初に注意すべきところは、尿路感染が存在するか否か、ということです。というのは、尿路感染が存在する場合には、食事内容などに関わらず尿はアルカリ性に傾くからです。

ですから、尿路感染が存在する場合にはまずそちらを改善していかないことには、生活習慣改善によるpH調整は(意味がないことはないけれども)非常に時間がかかると思われます。

尿路感染がある(疑われる)場合には、まずは必ずかかりつけの先生の指示を仰いでその治療から行ってくださいね。食事「だけ」で何とかしよう!と思うのは非常に危険な場合もありますから…。

そして、尿路感染によるpHの上昇を心配しなくてもよくなってから初めて、食事を含む生活環境のサポートが十分に生かせるようになってきます。

尿pHを酸性に傾ける効果のある栄養素として有名なものが、ビタミンCですね。
ビタミンCそのものや、ビタミンCを多く含むクランベリーやローズヒップなどのサプリメントを補助的に摂取することで、わりあい手軽にpHを下げることが可能です。また、病院では尿酸化剤を処方してくださる事もあるかもしれません。これらも、即効性があり、状況により非常に有効なサポートであると思います。

とはいっても、やみくもにただpHだけを下げてしまえばいいというものでもありません。というのは、尿中に結晶ができる場合には、それなりに根本原因が存在することがほとんどで、その部分が解決していない場合にはpHがアルカリ性ならアルカリ性の結晶ができてpHが酸性なら酸性の結晶ができてしまうだけだからです。

処方食やサプリメント、尿酸化剤でpHを下げるというサポートが必要な時もありますが、そういったものを利用する場合にはpHが下がりすぎないように定期的なチェックを行うべきだと、私は考えます。

また、食事以外の部分で結晶を予防するために必要なことは「適度な運動」です。食事の話ではないので詳細は省きますが、運動もストルバイトを含む尿結晶症を改善するためにとても大切な要素ですから、運動量を積極的に増やすことも心がけてくださいね!

 

というような感じで、ご質問に対するお答えとさせていただきたいと思いますが、いかがでしたでしょうか?


余談になりますが…

今回は、たまたまc/dという処方食について詳しくお話させていただきましたが、c/dに限らず、ご自分の犬猫に提示された処方食というものが、どんな考え方で作られているのか?をきちんと理解することは、手作りを実践するしないにかかわらず、状態や病体を理解する上で非常に大切です。

「獣医さんが処方してくれたから良いはずだ!」と何も考えずに使用するのではなく、獣医さんにその処方食を選んだ理由を聞いてみたり、独自で調べるなりしてみてほしいなと思います。獣医さんがその処方食を選ぶにも、ちゃんと意味があるのですから…。

 

長々となりましたが、最後まで読んでくださった皆様、ありがとうございました。
読んでいただきましたついでにお願いです。
ブログを読んでいただいて「ためになった~」とうれしくも感じてくださった方は、ぜひこちらの写真をクリックして頂ければと思います。皆様からの応援のクリックが、次のブログを書く励みになります。どうぞ応援よろしくお願いいたします♪
人気ブログランキング
Photo
 

 

 

☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆  

ブログで答えてほしいご質問や、手作り食での嬉しいご報告などございましたら、
こちらからお願いいたします。
 → フィルウお問い合わせ (ブログやHPで順番に回答させていただきます)

フィルウのトリミング風景です♪
 → 三毛猫 花の トリミング レポート

フィルウ特製手作りごはんのブログはこちら♪
 → ペットホテル フィルウの特製手作りごはん

その他、フィルウへのお問い合わせはこちらからどうぞ。
 → 03-6427-0303
 → フィルウお問い合わせ

★  ☆  ★  【フィルウ】 手作り食 と 自然療法 の 動物病院です ☆   ★    ☆ 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2009年2月 | トップページ | 2009年4月 »